創業から120年、一切の広告を打たずに人伝だけで信頼と実績を重ねてきた、工務店の新社屋計画。

「対話」を大切にする風通しの良い社風を建築で体現し、次世代にバトンを繋いでいく。

120年前、商家の蔵は「見世蔵」と呼ばれ、高い左官技術を競い合い、左官職人を棟梁とする文化がありました。

地元有松地域の風景は、当時の鏝跡でつくられています。

 

商家の蔵は財産を護るものですが、工務店の財産は「人」です。

左官職人を抱える工務店にとって、新社屋は現代の見世蔵とも解釈できます。

大きな屋根を支える力強い壁は、自社の左官職人による左官壁です。


工務店には現場監督、事務方、職人、様々な立場の方居て、

固定席が欲しい人、一人になりたい人、打合せをしている人、多くの違う立場・考えの人が同居しています。

 

1本の樹に1万匹を超える生物が同居してるように、できるだけ細やかに沢山の居場所をつくることで、

大屋根の下、声を掛ければ届くほど近くにいるけど、なんだか心地よい。そんな環境を目指して検討します。